介護職員としての第一歩はここからはじまる

介護サービスへの導入研修として位置づけられるのが初任者研修である。正式名称を介護職員初任者研修といい、基本的なことや職務への理解、尊厳の保持と自立支援について、福祉サービスへの理解と医療との連携についてなどを学ぶ。加えて、コミュニケーション技術や老化の理解、認知症や障害などへの理解や生活支援技術なども学び、科目をみれば実務者研修および介護福祉士受験科目と連動しているのが一目瞭然だ。
初任者研修も通学コースと通信コースがあり、いずれのコースも生活支援技術については通学のうえ、演習を行うことになる。この研修は以前のヘルパー2級研修に相当するが、以前よりも内容は充実しており、異なるのは修了評価試験の導入という点だ。受講生を振り落すことを目的としたものではないが、修了評価試験があることにより、受講生が研修に集中してのぞむきっかけとなるとともに理解度の向上にも効果的だと思われている。
しかし、それが逆にネックとなり途中で研修をやめてしまう人も多いのが現状だ。実際には試験当日まで合格できるようにサポートは行われており、受講者への理解が求められている。また、このようなシステムも国家資格取得を見据えたものであるということを理解しておくことが必要だ。
実際の現場サイドの声としては、認知症などの病気の知識やリスクマネジメントの視点などしっかりと勉強してきた印象が強いという反面、生活支援技術は評価試験をパスすることを強くし意識しているせいか、一人ひとりにあった柔軟な対応ができる技術がいまいちとされているため、研修中からそうしたことを意識すること必要である。